犬はとても賢い動物です。でも、最初から人間社会のルールを知っている犬はいません。
教えているのに覚えないとしたら、それは犬に理解できる教え方ではないからです。
困った行動が直らないとしたら、知らず知らずにそういう行動を教えてきたからです。
ちっとも言うことを聞かないとしたら、言うことを聞いても損するだけだからです。
飼い主が犬より上位に立ち、支配-服従の関係を作ることが犬のしつけの基本、と主張する人がいます。
もしそれで “よく言うことを聞く犬” になったとしても、毎日毎日愛犬と順位争いをしながら暮らすなんて悲しすぎませんか?
私たちの発想は全く違います。
どのようにして服従させるかではなく、どのようにして気持ちを合わせるか。
犬に我慢させるだけのしつけではなく、人と犬が共にハッピーになるしつけ。
人間の都合や価値観を一方的に押しつけるのではなく、犬の習性を理解し、なにより犬の立場に立って日常生活の中で好ましい行動を誘導して行くこと。それが家族として迎えた家庭犬のしつけだと考えます。
動物行動学と学習理論(行動分析学)をベースにトレーニングを組み立てますが、画一的なプログラムを当てはめるのではなく、犬の個性とそれぞれのご家庭の生活に合わせてご指導致します。
日本獣医動物行動研究会は、飼い主、トレーナー、獣医師など動物にかかわる人が、家庭動物のしつけや行動修正のために「体罰」を用いること、またこれを推奨する行為に反対します。
体罰は一種の暴力であり、動物福祉を侵害する行為です。動物は体罰を受けることにより身体的だけではなく精神的な苦痛をも感じます。
私たちは、体罰に依ることなく科学的な根拠に基づき、動物福祉にかなった効果的で持続性があるしつけや行動修正の手法を開発・研究し続けること、それらを社会に発信・啓発し続けることに邁進します。